「つくる」暮らし
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蒜山耕藝
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カテゴリ:藝のつながり( 17 )
和食パン

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タルマーリー和食パン



「炊いたご飯を練り込み、日本の伝統的製法で仕込んだ酒種で発酵させるから“和”の食パン。
イーストも砂糖も添加せずに、植物性素材のみを使用し、ここまでの柔らかさとすっきりとしたコクを生み出すためには、酒種に自然栽培(無肥料無農薬)の米を使うことが必須条件です。
研究を重ね、酒種とご飯と菜種油の力で、バターのようなコクと自然な甘さ、モチモチしっとり食感を実現した、タルマーリーを象徴する渾身の作品です。」
(タルマーリーのホームページより。)


私にとって世界で一番大好きなパンです。憧れのパンなのです。


タルマーリーの酒種のパンの中でもひときわ繊細で独特な製法で、酒種が安定しないと登場しない和食パン。
旧正月の昨日、久しぶりに食べることができました!

お昼の賄いで頂いてしみじみ感じた「美味しい」。
その余韻が夜まで続くほど…ひとりじわじわと感動してしまいました。
そう、このパンがひとつの目標なのです。
以前このブログでご紹介させて頂いた蒜山耕藝のお米でしこむ酒種。
残念ながら、やっぱり、うまくいきませんでした。
ショックといえばショックなのですが、自然のものさしが示してくれたこの結果。
蒜山の地で農を営みまだ1年目。とても納得しています。
これから何年も時間をかけて田んぼと関わっていき、種も自家採種をくりかえし、いつの日か酒種として活躍してくれる日がくると夢見ています。


今タルマーリーで購入することができる和食パンは、尊敬する自然栽培農家の畑さんのお米でつくられた酒種が使われています。
もうそれはふんわりとふくらんでいるんですよ。
ああ、こんな風に醸せるようになったらな〜と憧れの思いひとしおです。
パン生地に練り込むお米は蒜山耕藝のコシヒカリを使ってもらっています!これだけでも本当にありがたく、ジーーンと感動してしまいます。


いつの日か、酒種も米も小麦もオール蒜山耕藝の和食パンを。
旧正月に胸に抱いた目標です。




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今夜は大好きなホワイトチョコ&カシューナッツのパンで夜おやつ。
幸せなひととき。



高谷絵里香



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by hiruzenkougei | 2013-02-11 21:26 | 藝のつながり
トマトが繋げてくれたこと

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ジャーーーン。



なかなか赤い野菜を目にすることがない冬の時期。
この胸がわくわくする光景!トマトの水煮の瓶詰めです。



これは私たち蒜山耕藝がつくったものではありません。
岡山市内で今とても人気のあるイタリア家庭料理サロン a tavola! を主催されているゆかりさんが丁寧に手づくりして下さったものです。


はじめてゆかりさんと言葉を交わすキッカケをつくってくれたのがこのトマトたちでした。

私たちが加熱用のトマトを自然栽培でつくっていることをこのブログでご覧頂き、とても温かい、いや、熱い思いで「料理サロンで使いたい!」とご連絡を頂いたのです。

その頃私たちはまだ苗の成長を見守っている状況で、本当にこの土地で野菜を栽培し、商品として販売することができるのか半信半疑の状態でした。
自分たちが食べる分はできると思う。でも、販売できるかどうかは分かりませんというなんとも情けないお返事しかできなかったのです。
千葉と蒜山の予想以上の気候の差にとまどい、はじめて米作と同時進行で畑の作業を行い、すべてが後手後手になってしまうような不安を抱え、まさに暗中模索でした。

でも、ゆかりさんはその不安も全部一緒に抱えてくださり、「自然のことなのでお約束できないのは当然です。それでも待たせてください。」とおっしゃって頂いたのです。本当に深いところから私たちの暗中模索状態を理解してくださっているのが伝わってきました。そして応援のお気持ちをシャワーのようにたっぷり浴びせてくださいました。
このことがどんなに私たちを支えてくれたことか。



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幸いにも夏野菜は自分たちが食べる分より多く収穫することができました。
ゆかりさんは我が子のように蒜山耕藝の野菜たちを愛してくださり、美味しいイタリア家庭料理へと昇華し、多くの方々に蒜山耕藝の野菜のエッセンスを繋いで下さいました。
私たちの野菜を料理サロンで使うということは、お店で購入することと比べると労力も負担もどんなにおかけしてしまうことになるか。
生育状況をメールでやりとりし、直前になってやっとお届けできる数量が決定し、送料もご負担いただき、やっとやっとお手元にお届けすることができます。
それでもゆかりさんから伝わってくるのは、私たちの野菜を心から喜んで下さっている純粋な想いでした。



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私たちはこの土地で自然栽培で作物をつくりはじめて1年目です。
うまくいった作物、うまくいかなかった作物、その理由の仮説は立ててみたところ、正直言って「わからない」というのが本当のところです。
これから先、全く何も収穫できないという状況が訪れる可能性もあります。それがそのときの自然の結果、自分たちの至らなさの結果であるならば、私たちはそれを受け入れることしかできません。
そしてそこから学べることを、次の一歩に繋いでいくことしかできないのです。
それは私たちの作物を待って下さっている方を裏切ってしまう結果であることには変わりありません。



けれど、ゆかりさんのようにそんなこともひっくるめて純粋に応援して下さる方がいる。同じようなお気持ちを下さる方がたくさんいらっしゃるのです。そのことが私たちの暗中模索の中の一筋の希望です。



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決して甘えることなく、そのお気持ちを力にかえて、誠実に田畑と関わっていこう。
私たちにできることはそれしかない。
トマトの赤い情熱を胸に抱いて。



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高谷絵里香
by hiruzenkougei | 2013-01-24 22:06 | 藝のつながり
パン屋 タルマーリー
朝、洗濯物を干していたら、ふわりと金木犀の香り。
ああ、近くに金木犀の樹があるんだなと見わたしてみると、なんと我が家の庭に。

1年前の今はまだこの家に住んでいなかったので、この樹が金木犀と今日まで気がつかなかったのです。



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四つの季節を一巡りして、この秋「お米」という実りを頂くことができました。




このお米を私たちが住む真庭市にある「パン屋タルマーリー」さんで酒種用のお米として試してもらえることになりました。
パン屋さんでお米?と思われる方も多いと思います。


この機会にパン屋タルマーリーについて、私たち蒜山耕藝の目線から紹介させてください。



パン屋タルマーリーは格さん麻里子さんご夫妻が営む、自らを「農産加工場としてのパン屋」と言い切るほど、農業、特に私たちが志している「自然栽培」について深い理解のあるパン屋さんです。
なぜならば、彼らのつくるパンは究極的に素材の力を引き出してつくられたパンだから。
格さんのパン製造の高い技術は、素材の力を引き出すためのもので、
自分がこうしたい、こういう味にしたいといった人間の思惑のようなものがとことん排除されたパンなのです。

そのお味は…本当にエネルギッシュ。そして噛めば噛むほど、からだに染み渡っていくような美味しさ。
はじめて食べたときは本当に衝撃的でした。パンという概念がひっくり返るくらい「美味しい」のです。


タルマーリーでは今4種類の自家製天然酵母を使用しています。
その中のひとつ「酒種」は自然栽培の米と天然の麹菌で仕込まれた酵母。
(天然の麹菌というのも、本当にすごいことなのです。話が深すぎるので、こちらはまた別の機会にゆっくりと…)

この酒種に、私たち蒜山耕藝のお米を試してもらえることになりました。



このことは蒜山に移住を決めたときから私たちが温めていたひとつの大きな目標でした。
そもそも、今こうして蒜山の地で農を営む、その大きなきっかけを与えてくれたのが「パン屋タルマーリー」なのです。


自分たちがどんな思いで農を営んでいるか。
その思いを共有できるパン屋さんがそばにある。
このことが私たちにとってどんなに力強く、大きな支えになったことか、言葉で表現するのが難しいほどです。


私たちはあくまでも農家です。
作物をつくり、それをひとりでも多くの方の食卓に届けることが仕事です。

私たちの思いはそのままに、さらにスケールアップして届けてくれるのがタルマーリーという存在です。私たちが大切につくった素材をパンという表現で多くの方に伝えてくれる。
農家としてこんなに嬉しいことはありません。



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蒜山耕藝のとうもろこしを使った「マヨコーン」。
傷があったり、サイズが小さくて販売できないとうもろこしをタルマーリーが大量に購入してくれました。

スタッフ総出でとうもろこしの皮をむき、蒸して、手作業で粒を外し…その光景は忘れることができません。
こんなに面倒なことなのに、喜んで引き受けてくれ、美味しいパンに昇華させてくれる。
私の心の中は感激と感動の嵐でした。


写真はありませんが、蒜山耕藝のかぼちゃを使った「かぼちゃ食パン」も。
こちらも優しい甘さと食感で、じんわり美味しい。


マヨコーン、かぼちゃ食パン共に現在もタルマーリーで販売されていますので、ぜひ手に取ってみてください。
そして蒜山耕藝のお米でおこす酒種を一緒にワクワクお待ち頂けると嬉しいです。



自然栽培1年目の田んぼでつくったお米。


きっとうまく発酵しなかったり、格さんにたくさんご苦労をおかけすることになると思います。
(ちなみに自然栽培歴が長く、真摯に取り組まれている方の田んぼのお米は、とても安定して発酵していくそうです。)
天然の菌が否応無く出してくれるこの結果、とてもおもしろいと思いませんか?


私たちのお米がどのような過程でパンになっていくのか。
ここは包み隠すこと無くお知らせできたらと思っています。
農家として悲しい結果が出たとしても、それが自然界のこたえ。
心して受け取って、前に進むのみです。


この場を借りて、格さん、麻里さん、タルマーリーのスタッフのみなさん。
いつも本当にありがとうございます!
心いっぱいの感謝を込めて。




高谷絵里香
by hiruzenkougei | 2012-10-02 17:05 | 藝のつながり
チーズ農家カフェ イル・リコッターロ
今日はここ蒜山高原で営業しています、チーズ農家カフェ イル・リコッターロ
"IL RICOTTARO"をご紹介いたします。
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このお店のオーナーで農場主である竹内雄一郎氏は大学を卒業してイタリアチーズと料理の世界に飛び込みました。
とてもお若いですが、お父さまと力を合わせて農場とおしゃれなカフェ、そして、いずれは宿泊施設となるログハウスをほとんど手作りで建てられました。
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自らの農場で飼育する羊たちから集めた乳からチーズを作り、カフェで提供する。そんなわくわくすることを実現している。とてもまっすくで一生懸命で素敵な青年です。

イル・リコッターロは2011年10月にオープンしたばかりですが、すでに週末は開店と同時に席が満席となる人気ぶり。私たちが移住してきて、あるパーティに招待された時に、彼と出会ったのですが彼の目指しているものにとても共感し、そして、なによりもおいしいチーズと彼の人柄に我々は魅了されてしまいました。

「羊を飼ってチーズを作る」と、簡単に書いてしまいましたが、日の出前に起きて、毎日の羊の世話、乳搾り、チーズづくり、カフェの営業、片付け。翌日の仕込みは深夜まで及びます。
特に冬季は厳しいです。お店のすぐ上がスキー場ということからもわかるとおり、積雪は多い日には1mを越え、最低気温はマイナス15度を下回ります。お店から通りまでの除雪だけでも半日はかかります。それを彼は今年の冬は農場のほとんどすべての仕事を一人でやりきりました。
周りで見ているだけでも目がまわりそうな毎日。彼の体が少し心配です。
かれが目指しているもの。それは本当に素晴らしいものです。彼のブログでの言葉です。
そして、それに向かって着実に、まっすぐに向かっている姿は、怠け者の私からすると本当に尊敬してしまいます。

イル・リコッターロでは、その名の通り”リコッタチーズ”を使ったお料理やお菓子を提供しています。リコッタとはイタリア語でri(もう一度)cotta(煮立てる)という意味。
牛や羊の乳から普通のチーズを作りますが、そのチーズを作った残りの乳清とよばれる液体(ホエー)に羊の乳を加え、もう一度加熱してつくります。
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竹内さんのこだわりでもあるリコッタチーズは凝固剤(お酢やクエン酸等)は一切使っていません。ほとんどのお店のリコッタチーズは凝固剤を使用しているそう。そのため香りがとんでしまったり食感がぼそぼそしてしまったりするんだそうです。竹内さんは、ホエーの乳酸菌がほどよく働いたタイミングを見極めて火をつけます。このタイミングが非常に重要で、少しでも見誤るとリコッタ自体ができないそうです。つまり、乳酸菌が活発に働くときに出る「酸」で固めているのです。そして消火のタイミングもやわらかい食感を作るために非常に重要です。温めすぎても酸っぱくなったり、食感がぼそぼそしたりするそうで、その見極めが難しいけど腕の見せ所です。
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ほんものの出来立てのリコッタはとろっとろのふわっふぁで、あまーいミルクの香り。やわらかーい汲み上げ豆腐のよう。これに、はちみつをかけてパンと一緒に食べるのが私は大好きです。

日本ではここでしか絶対味わえません。そもそも乳を搾るためにヤギとヒツジを飼育している農場自体が日本に数件しかないのです。そして、搾った乳をチーズにしているのは、おそらくここ、イル・リコッターロしかないでしょう。

このリコッタをつかったドルチェ(イタリア語でスィーツのこと)や自家製のチーズと蒜山耕藝の野菜を使ったピッツァ。一種類しかないけどこれが本当においしい自家製酵母のパン。などなど。蒜山に来る機会があったらぜひ。いや、イル・リコッターロが目的で蒜山に来ていただいてもいいと思います。それくらいの価値がここのチーズたちにはあります。

かれのリコッタやチーズに対する愛情は、とても深く、私なんぞではその一端もご紹介できませんでしたが、このリコッタは一度食べてみてほしいと思います。
今日はここまでですが、また折に見て、彼と、イル・リコッターロの深いところをご紹介していきたいと思います。

桑原広樹




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by hiruzenkougei | 2012-09-13 07:36 | 藝のつながり
「土」と「左官」
農業は言うまでもなく「土」と深く関わるもの。
自分の中では「土」と向き合いどう接していくか、歩んでいくかというのが永遠のテーマと言っても過言ではないし、そもそも蒜山という場所を選んだ大きな理由は「土」と「水」でした。

でも「土」に深く関わるというのは農業だけではなくて、暮らし全般に関わっているもの。
「土」は食べものという恩恵を与えてくれているだけでなく、瓦や壁、または竃という形で人間の暮らしを古の頃より支えてきたものでもあります。

自分は農業に携わるあまり「土」といえば田畑の土にしか意識や興味がなかったのですが、昨晩、鳥取県倉吉の左官職人の方とお話する機会があり「土」と「暮らし」の関係について深く考えさせられました。

「土」について農業者以外の方の熱い思いを聞くのは初めてでしたが、ありとあらゆることが新鮮で面白いものでした。

蔵を壊すときは通常、重機で壊して残骸は産業廃棄物として処分されるのですが、
その方は何日もかけて手作業で解体し、土壁は壊したものを再び練り直して再利用するとのこと。
古いものに手を加えて新しい生命を吹き込む。
「土」や「左官という職業」に深い愛情を感じました。

そして、
「田畑での良い土と左官での良い土は違う」
「左官の基本は水です」
などともおっしゃっていてとても興味深く思いました。

もっと「土」について「左官」についてお話を聞きたかったのですが3時間少々でとても足りなかったので近いうちにまたお会いしてこようと思います。

蒜山耕藝としても「つくる暮らし」ということを大事にしている以上、「つくる」のは食べものだけではありません。
「藝」という文字を使ったのも、「つくる」ことで人間らしく生きよう!という思いを込めてのもの。

ですので、今後は衣食住において少しづつ「つくる」ということを増やしていこうと思うし、せっかくなので多くの方と共有したいのでワークショップなども開催できたらと思っています。




たかや ゆうじ
by hiruzenkougei | 2012-09-10 19:34 | 藝のつながり
魚魚さんと。書と。ラーメンと。
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蒜山は日に日に秋の空気が強まっています。
茄子がとても美味しい。



そんな中、急用があり東京へ帰省していました。


夜の空いた時間に、立川にある「Ozy's Dining 魚魚(とと)」さんへ。
こちらはいつ伺っても、店主高橋さんの魂のこもったお料理とお酒を味わえるところ。

魚は天然物、米や野菜、肉、調味料も、ご自身でひとつひとつしっかりと選ばれています。
放射能汚染についても食材の育ち方を選ばれるのと同じように考慮されています。
本当に貴重なお店だと思います。
高橋さんは自然栽培の野菜への造詣も深く、今回もいっぱい勉強させてもらいました。



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お土産に持って行った青茄子をさっそくお料理してくれました。
縦に切ってステーキ!
茄子の上の部分と下の部分で味わいも食感も変わってくるので、縦に切るのがオススメなのだそう。
とろとろ甘くて本当に美味しかった。



元スタッフの江島さんにもお会いできました。
書作家をされている江島さん。
なんと即興で「蒜山耕藝」と書いて頂けることに!


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力強くてしなやかな、とても美しい書を頂きました。大感動。



そして、締めには…魚魚ラーメン!
実は立川のラーメンスクエアというビルに魚魚さんの2号店があるのです。
ジャンクなイメージのラーメン。
魚魚さんは完全無添加のラーメンで勝負されています。




これが、もう。


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最高に美味しかった!


理屈抜きの美味しさでたくさんの人の心をつかんで。
その先にある食の現実を伝えてくれている。

その真っ直ぐな姿勢に、私たちの背筋もスーッと伸ばしてもらった気がしています。



高谷絵里香
by hiruzenkougei | 2012-09-01 19:25 | 藝のつながり
抜けない「はんだ牛蒡」
先日、島根県で自然栽培に取り組んでいる反田氏のところに訪問してきました。

「洪水と共存」を一生のテーマと公言している彼の取り組みを見ていると、自然栽培=無肥料無農薬栽培ではないということと、その道を歩んでいくことの魅力を改めて感じます。

そのあたりのことをこのブログで詳しく書こうと思っていたのですが、口では言えても文章にするのは難しいので断念し、
今回は彼の代名詞とも言える「はんだ牛蒡」を紹介します。

反田氏の農地は島根県江津市桜江というところにあります。
大きな江の川沿いにある桜江は、川が運んできた肥沃な土壌が堆積されています。

画像でみるとこんな感じです
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ユンボでゴボウの横を掘ったところです。
見えづらいかもしれませんが、50〜60cm掘っても地層の変化はありません。
そして見事なまでの砂壌土。
以前、反田氏が可能な限り掘り下げたけど何m掘ってもずっと同じ土だったそうです。

普通なら数十センチ掘れば赤土や固い粘土層が出て来たり、川沿いだったら石がゴロゴロ出て来たりするのもですが、こういうのは見たことがありません。
ここまで堆積されたということは並大抵の水量ではないことは想像に難くありません。

「洪水と共存」との言葉通り、毎年のように洪水被害のある土地なのです。
しかも洪水とは簡単には言えないようなスケールの大きい洪水です。
行けば驚くと思いますが川を渡る橋が非常に高く、畑に立ちながら20m以上も高い所を指差して「あの辺まで水があがりますよ」というほど。

もちろん田畑は完全に水没して水面から竹が見えるくらいという状況になると言います。
日本でそういうところがあるなんて知りませんでした。

洪水は農業経営に致命的なダメージを与えかねないけど、その洪水が上流の土や砂だけでなく山の腐植という恩恵を運んでくれたものでもあります。
その土地の自然や環境としっかりと向き合い、人と自然がともにつくりあげていく。
そういう姿勢で作物をつくるということが自然栽培の一つの姿であると思うのです。

そういう意味で、反田氏の「洪水と共存」という決意が見事に表れているのが
「はんだ牛蒡」だと思うのです。

ゴボウは一般的に収穫機で一気に収穫していくものなので反田氏もそれを使用しているのですが、
自然栽培のゴボウは根が深く入りすぎて抜けないことが多いとのこと。
なので写真のようにユンボでゴボウの脇を掘ります。
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ユンボで掘り上げられた土。石が無いのがわかりますね。

この穴に人が入って手で抜きます。
根はそうとう深くまで入っているので全体が抜けることはまれで途中で切れます。
生育が良いのは2人掛かりでも抜けません。

収穫したゴボウはこんな感じです。
研修生の丸ちゃんが選別しているところです。
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とても長いけどこれ収穫の時に途中で切れてますよ。
実際にみると本当に驚きます。
ちなみに今シーズン、抜けたなかで一番長かったものは170cm!?
出荷する時は袋に入れるためカットしてしまうのだけど。

先に書いたように肥料を使用しているところは先細りになっているので収穫機で抜けるくらいなのですが、自然栽培のは先細りすることなくそれができないため手がかかるというジレンマがあります。

作業中におしゃべりしていたおばちゃんも
「昔からゴボウ作ってたけど、30〜40センチくらいの長さだった」
と話していました。

それって洪水が与えてくれた恩恵だけではこんなゴボウはできないということではないですか?

ゴボウが長ければ良いということではないし、
反田氏も長いゴボウを作ろうと思ってなかったでしょう。

ただ、洪水と共存する道を選び、その土地の自然の力と作物の力を活かす為に肥料に頼ることなく、
できる限りのことをした。
その結果が今のゴボウの姿だと思うのです。

桜江のその畑のあるところでしかできないし、反田氏という男がいなければこれは生まれなかった。

まさに「はんだ牛蒡」じゃないですか!!

私も同じ農業者として正直羨ましく思います。
思いはあってもそれがなかなか形にならないのが自然栽培の世界。
「はんだ牛蒡」のように生き方が具現化された(私の主観ですよ)ものはなかなかない。

まだ蒜山に移って一年経つか経たないかの自分がそれを求める段階ではないけど、目指す方向性として、いつか蒜山耕藝としてそういうものをつくりたいという気持ちがとても強くなりました。

反田氏との話では、まだまだ課題は山積みだそうです。
栽培上のことだけでなく、農業経営のこと、地域のこと、そして洪水とどう共存してくかなど。

彼のブログにはその辺のことがたくさん書いてあります。
独特の反田節で苦しいことや辛いことがたくさん。
でも不幸ではなくて、道を見つけたものが感じるであろう幸福感のような空気が漂う不思議なブログです。

反田氏と密に交流するようになってまだ数ヶ月。
短い時間の中でたくさんのことを学ばせてもらいました。

そして、私が言うのも変ですが、
同じ志を持つ者としてこれからも高めあっていけたらと思います。

「はんだ牛蒡」がとてつもなく根深くなり抜けなくなったように、
自然栽培という世界も今感じているよりもずっとずっと奥深いものなのでしょう。

ハマればハマるほど大変なこともでてくるけど、

その美しさ
その香り
その味

これを体験してしまったらもう後戻りはできません。

もっとそれを体験するために、
蒜山の自然と「共存」していこう

共に存在しているだけという「共存」ではなく、
存在を認め合いエネルギーの共鳴が起こる、
そういう意味での「共存」

このへんの理解はまた変わるだろうけど、
今のところはこんな感じです。

長々とお付き合いありがとうございました。
ゴボウなだけにお許しを。

たかや ゆうじ

★追記★

ブログを読んでくれた反田氏が彼の思いを書いてくれました。
「私とゴボウ」
私の投稿と合わせてぜひご一読を。
反田節が効いています。

関係無いけど、彼のブログの顔写真。
今と比べるとずいぶんふっくらしてるおりますな〜。
by hiruzenkougei | 2012-08-13 06:38 | 藝のつながり