初回のブログには農園名が決まったことについて、
ここ蒜山 中和に移り住んでから約十ヶ月。
みんなのお腹の中で温めていたものがするりと生まれてきてくれた気がします。
と書きました。
みんなのお腹に入っていたのはたくさんの思いや様々な感情です。
震災、原発事故を受けて自分達が感じたり、考えたこと。
豊かさとは。これからの生き方や暮らし方とは。
私たちが大切にしたいこと、やりたいこと。
自然とは。なぜ農業なのか。
そして、
楽しい、嬉しい、ワクワクするといった感情と
悲しい、辛いといった感情
それらを全部丸ごとお腹の中に入れて、十ヶ月して出て来たのが「蒜山耕藝」です。
出てくるのに十ヶ月かかったものが数日前にするりと出てきたのはデザイナーの前崎さんの力によるものだけど、
お腹の中のものをまとめてくれたのは「藝」という言葉、概念でした。
「藝」の原字は、植物に手を添え土に植えることを意味していると言われています。
つまり、植物を栽培すること、
人間の食べものである植物をつくるということ。
それは太古の昔から人間が暮らしの中で続けてきたことだと思います。
厳しい自然環境の中で人間が生きていくために必要だったもの。
暮らしの中心にあったもの。
その一つが「藝」であると思います。
自然と共に生きることを模索している今、
自然と「調和」するためのヒントが「藝」という概念にあると思っています。
「蒜山耕藝」に「藝」を用いたのはそういう思いがあったからです。
自分達の暮らしを通して、
食べものをつくるという農業を通して、
美しく、調和した世界を目指していきたい
まだまだ力不足な自分達ですが目指しているのはそういう世界です。
毎日の「藝」の中で感じること
農という作業を通して感じること
今後のブログではそういうことを表現できたらと思っています。
以上、ちょっと固めの初投稿でした。
高谷 裕治