トマトやナスなどの夏野菜が収穫できるまでの梅雨のこの時期、野菜農家にとっては端境期(はざかいき)といって、収穫できるものが無くなってくる厳しい季節です。こんな時期ですが、蒜山耕藝では収穫を待っているモノたちがたくさんいます。
前回、大麦の収穫の報告をしましたが、今回も、この梅雨の合間をぬっての収穫の報告です。
今回はこれ!なたねです。
これは菜の花ですね。休耕地を利用して、景観のために栽培している所がほとんどですので、花が終わると刈り倒してしまうのですが、蒜山耕藝では、そのままにしてなたねの実をとります。そう、なたね油を搾るのです。
実が、熟するとこうなります。
実はさやの中にこんな感じで入ってます。
なたねは普通、汎用コンバインという、大豆やソバなどを収穫する特殊なコンバインを使うのですが、そんな高価な機械は手配できないので、おなじみの稲の収穫用のコンバインを使います。
なたねは稲よりも枝を大きく広げるので、普通に栽培すると、稲のコンバインでは収穫できないのですが、種まきの仕方を工夫して、枝が広がらないように栽培することで、画像のように収穫することができます。
収穫したなたねです。
2反で100㎏強、収穫できました。ずいぶんと少ないですね。なたね自体の生長があまりよくなかったのと、稲用のコンバインだと、機械からこぼれてしまうロスが多いようです。収穫した後の畑は沢山の鳥がこぼれ種を食べに来ています。来年の課題です。
収穫できたものは、今年の秋にまく分を残して、残りは油にします。例のごとく、天日で乾かして、トウミでゴミを取り除いて、搾油所で油を搾ってもらいます。搾油所の詳細は、また後で報告します。
ナタネの収穫をしたあとも、数日、雨が降らなかったので、今度は、小麦を収穫しましたが、大失敗。今度は、コンバインの中で練ってしまって、全粒粉のパン生地のようになってしまいました。水分が多すぎたようです。コンバインの掃除に、半日かかってしまいました。梅雨の間の貴重な晴れの日を無駄にしてしまいました。小麦は、いくら熟したように見えても、蒜山では7月まで待って収穫した方がいいようです。
ということで、いろいろ収穫に夢中になっていたら、またまた、大失敗。今度は、大事な大事な地元の伝統野菜「土居分小菜」の自家採種の種をほとんど鳥に食べられてしまっていました。
あ゛ー。ほとんど残ってません。母本選抜どころか、かき集めるのがやっとです。あれほど、千葉の師匠に「種を大事にしなさい」と言われてたのに、意識が種に向いてませんでした。アブラナ科なので、熟した時の見た目はほとんど同じですが、これが「土居分小菜」です。
毎日、七転八倒の蒜山耕藝の畑です。いつか整然と作業をこなせる日を目指して、頭を体を動かさんといけないなーと反省の日々です。
桑原広樹